投資や副業に関する情報を収集したり、勉強会などに参加すると必ずと言っていいほど耳にするのが「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」というワードです。
この二つのキーワードは投資や副業を考えるうえで必ず理解しておくべきものですから、この際に押さえておきましょう。
この回では両者の言葉の意味や違いについて解説します。
インカムゲインとは
最初にインカムゲインから説明します。
インカムゲインとは、保有する資産から生じる安定的、継続的な利益のこと言います。
具体的にどんな利益がインカムゲインとなるかは投資の種類や保有する資産によって以下のように異なります。
・株式=配当
・投資信託=分配金
・銀行預金=利息
・不動産=家賃収入
安定と継続という言葉は不労所得の獲得を目指す投資家などが好むワードで、副業をお考えの方にも大きな魅力があることでしょう。他にもインカムゲインを生じさせる資産はありますが、上記に主なものを挙げましたのでイメージはできたと思います。
ただ安定している代わりに単発の利益としてはそれほど大きくならない側面もあります。
不動産の家賃収入であれば保有する不動産の数によってはまとまった家賃となるでしょうが、株式や投資信託では相当の口数を保有していないと単発の利益は大きな額にはならないことが多いです。
預金の利息に関しては近年の低金利施策もありほとんど期待できません。
数十年前は「利息で生活だ」なんて話も冗談で出ることがありましたが、今では遠い夢のようです。
キャピタルゲインとは
ではキャピタルゲインとはどのようなものでしょうか。
こちらは資産を売却した際に生じる利益を指す言葉です。
売却するわけですからキャピタルゲインが生じるのは一度きりで、インカムゲインのように継続して発生することはありません。
売却益というのは売却代金、つまり買い手が支払う金額を指すわけではないことに留意します。
その資産を購入した時には一定のお金を支払っていますから、売却した時にそれ以上の値段で売れなければ売却益は生じません。
例えば不動産を1000万円で購入し、1200万円で売却したとすると売却益は差額の200万円となり、これがキャピタルゲインとなります。
言い換えれば値上がり益ということもできますね。
株式や有価証券、あるいは不動産以外でも書画や骨董、貴金属など市場価格が変動するものであればキャピタルゲインを狙うことができます。
では保有する資産が値減りしてしまい、売却時に損が出る場合はどうでしょうか。
1000万円で購入した不動産が800万円になってしまった場合、200万円の損が出ます。
この損は「キャピタルロス」という言葉で表されます。
キャピタルゲインを狙う投資目的で資産を購入する場合、キャピタルロスが出ないように注意しなければなりません。
一方、インカムゲインの方は継続的に発生する利益を指す言葉ですので、「インカムロス」という言葉はありません。
投資手段としての違い
インカムゲインとキャピタルゲインの投資手段としての違いにクローズアップしてみましょう。
投資面の性質を考えるうえで最大の違いはリターンの大きさとそれに伴うリスクの大きさです。
キャピタルゲインは時機を良く捉えて対象資産をできるだけ安く仕入れ、できるだけ高く売ることができれば元手の数倍の利益を狙うこともできます。
ただし購入した資産が予想に反して値下がりした場合、投下した資金が大きい分、大きな損害を被る危険があります。
キャピタルゲインはハイリスク、ハイリターンの性質を持つと言えますね。
インカムゲインは資産の種類にもよりますが、単発の利益は元手の数%程度です。
しかし売却を前提にしているわけではないので、資産そのものが値下がりしても配当や家賃収入などは獲得することができ、大きな損害を被る危険はそれほどありません。
インカムゲインはローリスク、ローリターンの性質を持つと言えます。
投資や副業における留意点
ここで、投資や副業として行う場合に留意しておくべき点をいくつかお話ししておきます。
まずインカムゲインの方ですが、投資信託商品における分配金には普通分配金と特別分配金の二種類があります。
普通分配金は運用益が元手になっているので問題ありませんが、特別分配金は元本の一部が組み込まれたものであるため、それだけ元本が減少することになります。
特別分配金を受け取るタイプの銘柄の場合、元本がどれだけ残っているのかに注意しながら運用することが求められます。
次にキャピタルゲインの方ですが、安く買って高く売ることで利ザヤを狙い大きな利益を生み出すことができますが、それだけ大きな税金もかかってきます。
個別の商品によっても税制が異なるのでよく調べる必要がありますが、例えば不動産であればキャピタルゲイン(売却益)には不動産譲渡所得税がかかります。
この税目は課税標準(売却代金から一定の経費を控除た額)に税率を掛けて税額を算出します。
税率は不動産の所有期間によって異なり、所有期間が5年超の場合は20%、5年以下の場合は39%です。
課税標準が1000万円、税率が39%であれば390万円が税金で持っていかれるということになります。
実際には特別控除などを適用できれば税負担が軽くなったり無くすることもできますが、儲けの額が大きくなるキャピタルゲインは基本的に税金の負担も大きくなるということは覚えておきましょう。
まとめ
本章ではキャピタルゲインとインカムゲインという二つのワードを取り上げて、その意味や違いなどについてお話してきました。
インカムゲインが資産から生ずる安定的、継続的な利益を意味し、キャピタルゲインは資産を売却した際に得られる売却益を意味する言葉です。
両者は投資や副業を考えるうえで常にセットで考えることになるでしょうから、違いについて知っておくことは大切です。
どちらを狙って投資や副業をすれば良いかは当人の状況や好みによります。
ハイリスクハイリターンが性に合う人もいれば、安全を重視してローリスク、ローリターンが良いという人もいるでしょう。
またどちらか一択ということではなく、それぞれの投資商品を組み合わせることでより望ましい資産構成を組むこともできます。
ぜひバランスを考えた投資、副業を模索してみてくださいね。
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