会社経営が上手くいくか、それとも軌道に乗せられず廃業に向かうかはひとえに経営者の腕にかかっていると言って良いでしょう。
同じ経営者でも人それぞれ個別の性格は当然異なりますが、経営に向いている素質や性格には共通している部分があるのも確かです。
この回では経営者に向いている性格や素質で共通している点を挙げて見ていきます。

■リーダーシップがある

リーダーシップ

成功している経営者のほぼ全てに共通しているのが強力なリーダーシップでしょう。
組織は人の集まりであり、組織が大きくなるほど統率が取りづらくなります。
企業組織の場合は利益を出すのが至上命題となるので、そのために組織をどう動かすか、つまり人をどう動かすか考えなければなりません。
考えるだけではダメで、実際に人を動かせなければ会社は機能しませんから、社長となる人物には相当の実行力が求められることになります。
高名な武人の言葉に「やってみせ、言って聞かせ、させてみせ、ほめてやらねば人は動かじ」という格言がありますが、人を動かすのは簡単なことではありません。
人の上に立つ者としてリーダーシップを適切に発揮するには人格者であることも求められます。

■外向性が強い

外向性

多くの経営者は外向性が強いということが一般に知られています。
簡単に言えば社交的で他者とのコミュニケーションを積極的に取ろうとする性格ですね。
新しいことを試してみたい、刺激が欲しいといった特徴があり、ポジティブ思考であることが経営者としての強みとなります。
会社経営では一般に多方面との付き合いが必要ですから、これを苦にする性格だときついでしょう。
生来的に外交的な人は経営者としての資質を持っていると言って良いと思います。

■強い自我を持っている

強い自我

悪く言えば頑固、融通が利かないと言った表現もできますが、強い自我を持っている人は成功できる経営者の要素を持っているといって良いでしょう。
単なる頑固者だと話になりませんが、経営者は日ごろから様々な情報に接し、あふれる情報の中で自分が進むべき道を一人で模索することになるので、周囲に流されない強い自我をもっていないと不安にさいなまれたり、誤った方向に進んでしまう危険があります。
自分の考えや信念をしっかり持つことが大切で、必要なアドバイスは活用しながら、それでも自分の道を譲らない姿勢を保つことが大切です。
「他人がどう思おうと、自分はこう思う、こうする」と臆せずにはっきり言えるようになりたいものです。

■「コミュ障」気質が意外なポテンシャル発揮も

コミュ障気質

外向性の強い気質が経営に良い影響を及ぼす一方で、最近は内向的気質の強い経営者も増えています。
いわゆる「コミュ障」的な性格で、人づきあいが苦手と自認する人でも、やりようによっては事業を成功させることができるということです。
何をもって成功とするかは人それぞれですが、本人が楽しいと思えて、十分な利益を出せているのであれば上手くいっていると評価できます。
人を雇わず自分だけで完結できる業態で、自分の能力を生かして利益を生みだせるような業種なら問題ないことも多いと思います。
いわゆるフリーランスも立派な事業者ですので、自分の特性を生かした事業展開を望むことができます。

■法人経営はやはりコミュニケーションスキルが重要に

コミュニケーション能力

とは言っても法人として大きく事業展開するならやはりコミュニケーションスキルは重要です。
従業員など部下の管理、取引先との折衝、銀行での融資の打診など、法人の経営ではどうしても自分以外の“外の世界”との関わりを避けて通れません。
コミュニケーションスキルは訓練によってある程度向上させることができるので、不得意と感じている人もできるだけ積極的に人と関わるようにするのがお勧めです。
専門のトレーニングを施す訓練機関などもあるので、必要に応じて検討してみましょう。

■まとめ

この回では経営者に向いている性格や素質で共通している点をいくつか挙げて見てきました。
リーダーシップや外向性など従来の経営者像に共通するものだけでなく、最近は従来とは違う気質の経営者も登場しています。
ビジネス自体が多様化している現代ですから、経営者像も多様化するのは当然かもしれません。
これまでの枠にとらわれることなく、経営も柔軟な視点で楽しむ姿勢を持ちたいですね。