近年、ビジネス分野における志向として「サステナブル」や「SDGs」などの言葉が用いられるようになっています。

これらは近い将来、ビジネスの根幹をなすものとして機能することが予想されます。

概念的に分かりづらいためとっつきにくさを感じている方も多いと思いますので、本章ではこの方面の話題を取り上げて企業の取り組みに生かす方法を見ていきます。

そもそもサステナブルとは?

そもそもサステナブルとは?

言葉の意味や概念自体がわかりづらいので、まずはサステナブルがどのようなものか漠然とでも良いので理解することが重要です。

サステナブルは英語表記で「Sustainable」となり、直訳すると「持続可能な」という意味があります。

元々は環境問題の話題でよく用いられ、同分野でこの単語が扱われる場合は、例えば地球環境を維持することや、天然資源の枯渇を遅らせたり、代替エネルギーの模索などが話題になるでしょう。

これが最近は環境以外の分野でも使われることが多くなり、ビジネス分野にも進出しています。

ビジネス分野で用いられる場合、例えば資材の調達で環境に負荷をかけないようにしたり、労働者に大きな負荷をかけないように製品の生産をするなど、何かに負荷をかけて製品やサービスを開発、提供することを避け、これにより経営を持続可能なものとする、という意味合いで使われます。

サステナブルと似た用語に「SDGs」があり、こちらは「Sustainable Development Goals」を略したものです。

日本語では「持続可能な開発目標」と訳され、地球環境を守りつつ、人類が平和に暮らしていけるようにするための取り組みを意味します。

SDGsは17の分野で構成され、環境や経済だけでなく、貧困や教育、福祉など、まさに人類全体が地球で健康的に生きていくための構想となっています。

SDGsはサステナブルの意義を具現化し、具体的な行動目標を定めていると評価できます。

先行例となっているサステナブル経営のヒント

先行例となっているサステナブル経営のヒント

ここではサステナブルで先行する企業がどのような取り組みを見せているか、具体例を見てみます。

日本マクドナルドでは、食材の調達過程において色々と配慮をすることでサステナブルを追及しています。

例えば食材となる動物の飼育に際して環境に配慮しつつ、動物の健康を考えた飼育環境を整えたり、飼育にあたる農家の生活環境の向上などにも配慮しています。

スポーツメーカーのナイキは廃棄物の削減を通して環境への配慮をみせていますし、家具や生活雑貨を扱うIKEAなども廃棄物の削減や資材調達の面で負荷の少ない方法を模索しています。

他にも、コカ・コーラなど飲料各社は水資源の調達に関して、自動車産業の各社はエネルギー効率の最適化や大気汚染をできるだけ防ぐための取り組みを見せています。

自社にサステナブル経営を取り入れるには?

自社にサステナブル経営を取り入れるには?

では自社でサステナブルの考えを取り入れるにはどうすれば良いのでしょうか。

前項で挙げた先行例をみて、同業種であれば何となくそのまま自社に落とし込めそうな気もしますが、企業規模が違えばそう単純にはいきません。

また各社事業内容は異なりますから、他社の先行例である程度イメージが湧いたとしても、業種が違えば直接自社に落とし込むことはできません。

そこで、まずは自社の課題を洗い出すことから始めてみることをお勧めします。

・自社の活動でどのくらいの廃棄物が出ているか?
・製品やサービスの開発・提供過程で特定の人や組織、物、環境等に負荷をかけていないか?
・自社の営業活動は身近な地域社会にどのような影響を与えているか?

まず取っ掛かりとして上記のような課題を洗い出し、可能であれば「〇年以内に廃棄物を20%削減する」など数値目標を作ることで、サステナブル経営をより具体化できます。

まとめ

まとめ

今回はサステナブルを経営に取り入れるための方法について、先行する企業の取り組みや自社に取り入れるためのヒントなどを見てきました。

一朝一夕に経営体制を変えることは難しいと思いますが、最近は消費者の志向としてもサステナブル経営を推進する企業の製品を買いたいと考える人が増えています。

こうした層に訴求できるよう、少しずつでも良いのでサステナブルを意識した企業経営を考えていきたいものです。