資金調達の手段は数多くありますが、国からもらえる返済不要の補助金や助成金は企業にとってありがたいものです。
ただこれらの資金は癖が強く、その性質を知ったうえで活用を考えなくてはなりません。
本章では補助金と助成金の活用法について解説していきます。
■補助金とは
補助金は主に経済産業省が所管する事業で、国の経済発展に寄与すると見込まれる事業者の一定の取り組みに対して補助を受けられます。
代表的な補助金には以下のようなものがあります。
①小規模事業者持続化補助金
販路開拓など一定の取り組みを見せる事業者に対し、その費用の一部を補助する施策です。
利用するには商工会の指導を受けることなどの要件が付きます。
②IT導入補助金
業務効率化などを目的にITツールを導入する企業に対してその費用の一部を補助します。
社内設備のデジタル化を図る際に費用面で助けになります。
③事業再構築補助金
新市場進出、業種転換、事業再編、国内回帰、地域サプライチェーンの維持・強靱化又はこれらの取組を通じた規模の拡大など、思い切った事業再構築を行う事業者に費用の一部を補助します。
■補助金を活用する際のポイント
補助金を活用する場合のポイントは二つあります。
一つは補助金を貰うにしても、必要な事業資金は自前で事前に用意することです。
補助金は申請すれば必ず貰えるわけではありません。
多くの要件を満たさなければならず、なおかつ補助金の原資は限りがあり早い者勝ちなので、ライバルよりも先に申請しなければなりません。
申請しても貰えない可能性があるのに加え、仮にもらえたとしても必要な取り組みを行った後に支給されるため後払いになります。
もう一つは募集期間が短いということです。
それぞれの補助金は一定期間しか募集されず、その募集期間も短いので、補助金を狙うなら次回の募集がいつになるのか調査し、募集が始まったらすぐに申請できるように準備しておくことが大切です。
■助成金とは
助成金は主に厚生労働省が所管する事業で、雇用する労働者の労働環境を整備するために支出した費用の一部を助成してもらえます。
返済不要なのは補助金と同じですが、助成金は補助金と違って募集期間に期限があるわけではなく、早い者勝ちでもありません。
ですから要件さえ満たしていればいつ申請してももらえます。
ただ補助金と比べるともらえる金額が小ぶりで、まとまった資金源として活用するのは難しいことが多いです。
主な助成金の種類を見てみます。
①キャリアアップ助成金
主に非正規雇用で働く労働者のキャリアアップを図る取り組みに助成を受けられます。
②中途採用等支援助成金
中途採用による雇用拡大を目指す施策で、採用にかかった費用の一部を助成してもらえます。
③人材確保等支援助成金
従業員が働きやすい環境を整備するためにかかった費用の一部を助成してもらえます。
テレワーク導入にかかる費用の助成を受けられるコースが最近創設されました。
■助成金を活用する際のポイント
助成金を活用する際のポイントを見てみます。
一つは補助金と同じで実際に貰えるのは必要な取り組みをした後になるので、そのための資金は自前で事前に用意しなければなりません。
また貰える金額は小口であり、手続きにはかなり手間がかかるので、投下する時間や手間に比してもらえる金額が割に合わないと感じる経営者もいます。
ですから事業主自身が本当に必要だと感じている施策でのみ申請を考えるのが無難です。
■補助金・助成金の弱点
ここで補助金と助成金の致命的な弱点についてお伝えしておきます。
一つは利用できるにしても申請手続きをするのに相当の手間がかかり、審査等を経て実際に支給されるまでにはかなり時間がかかるということです。
後払いではありますが、支給が叶えば運転資金に用いることはできます。
しかし本当にもらえるかどうかは申請してみないと分かりません。
迅速性だけでなく確実性の面でも難があるので、目下必要な事業資金の調達手段としては不適当です。
今実際にお金が不足していて運転資金が足りない、資金ショートのリスクが生じているなどの事情があるのであれば、迅速、確実に資金を確保できる別の手段を検討するべきです。
迅速、確実に資金調達を行うならファクタリングがお勧めで、売掛金があれば最短当日中に現金化して手元資金を用意できます。
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ぜひお気軽にご相談頂ければ幸いです。
■まとめ
本章では補助金と助成金の活用法について見てきました。
どちらも返済不要という嬉しい性質を持つ公的資金ですので、自社に必要な施策があり、その施策に補助や助成をしてもらえるのであればぜひ利用すべきです。
ただどちらも迅速性や確実性が無く、一般的な事業資金として活用するには難があるのも事実です。
あくまでもかかった費用の一部を補填してもらえるという性質であり、必要となる資金は自前で準備しなければなりません。
この性質を知ったうえで、可能であれば検討してみましょう。
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